3 数学の学習【1】 ↓
 数学は基礎が全てを決める。
 数学も他の教科同様とりあえずは暗記科目である。
 基本事項は、覚えるだけでなく、
よく理解することも大切である。
 例題を理解した生徒だけが、
数学オリンピックのような楽しく考える問題を解くことができる。
 例題を理解し、使えるようになった生徒だけが、
数学の面白さが分かる。
計算は最後の最後にしよう。
計算の得意な生徒は、すぐに暗算で計算をしてしまいがちだが、
これだと、式の規則性が、見つけられない。
例えば、数列の一般項を出す時や、点が動く問題。
小学校で習った割り算は、中学や高校ではほとんどしません。
割り算は分数にしてから、2や3でどんどん割って約分していけばよい。
素因数分解を早く正確にできる力をつけばいい。
計算は、途中の式が大切である。
どのような考えで計算をしているのが、わかるように書こう。
(コンピュータプログラムは1行でも飛ばすと正しく動きません)
どんどん手を使って早く書いていこう。
なるべく頭を使わないで、手で計算する感じで、
手を休めることなく書いていこう。
書くのを面倒だと思って、手を休めて、頭で計算しようとする生徒は、
そのうちに計算ミスをすることが多い。
 基本事項や公式、例題を覚えただけでは、
点数は取れない。
これらを使いこなせるようになって初めて成績が伸びる。
そのときは、いつのまにか計算力も付いているはずである。
 数学の勉強は、
階段を一歩一歩たゆまず上がっていくようなものである。
 数学は理科と同じく積み重ねの学問である。
ある段階の問題が解けない場合は
その下の基本問題に戻りもう一度解いてみよう。
 途中で手を抜くと、
その抜いて欠けた知識がいつまでも、
その後の学習の理解と進歩の妨げになる。
 数学では初歩の段階では読みきりの部分というのが余りない、
数学の特性かもしれない。
とにかくはじめから終わりまで読み通すことが大切。
それには、根気と継続力が必要である。
 数学はこちら側の「あいまいさ」を
一切許さないところがあって、
あらゆる点で「付け焼き刃」が通用しない。
「何とかラクをしよう」とおもったら負けである。
 数学ほど好き嫌いのはっきりしている教科も少ない。
しかし数学は特別な才能をもった人だけが
好きになるものではない。
最初から、基礎をしっかり理解し、
考え方の道筋をきちんと学習するならば、
必ず数学を好きになることができる。
 数学の問題解法に必要なのは、
問題解法のパターンを覚えること。
難しい問題も、センスやカンで解くのではなく、
基本的な解法パターンの組み合わせ、
応用で必ず導くことが、できる。
 数学で最大限の効果をあげるなら、
繰り返し練習して、自在に使いこなせるようになることである。
4回繰り返す学習をするなら、
確実に実力がつく。
 重要な公式や考え方は必ず覚えて、理解しよう。
 公式は自分で証明できるようにしよう。
 基本例題と必須例題は繰り返し練習すること。
とにかく最低4回繰り返せ。
 目で読むだけではなく、手と心で読む!
実際に手を動かし、
紙と鉛筆を用いて心をこめて読むこと。
 まず例題について解答を見ないで独力で解いてみる。
 解けない時は
「問題を解く手掛かり」をよく理解し、
しっかり身につける。
 試験の時に、しっかりとした答案を書くためにも、
日頃からこの解答例に習って、
きちんと書くように心がけよう。
 試験の前には、必ず志望校の赤本を読むこと。
そして自分の受ける大学・学部の出題パターンを頭に入れておくこと。
「敵を知り己を知れば百戦あやうからず」
 問題に対して「考え方の基本」を見極めてもらいたい。
問題を解析する実戦力というのも、
このような考え方を背景とする、洞察力と、
それに見合う計算力等によって初めて約束されるものである。
 問題を見たら、1分以内に「問題を解いていく方針」が、
頭の中から引っ張り出せるかどうかで、
この問題が解けるかどうかが決まる。
これは、例題を覚えていないと、まず無理だと思う。
とりあえずは暗記科目であるというのはこのことである。
 答えが出ても、すぐに次の問題にいかない。
本当にその答えで良いのか必ず吟味をすること。
 数学の勉強でのウォーミングアップは中学の数学で、
キャッチボールが高校の数学T・Aの勉強で、
全力投球は、大学入試の数学である。
 階段に第一歩ともいうべき出発点があるように、
数学の仕方にもそれがある。
その第一歩が中学の数学である。
数学の基本的な考え方や計算の仕方を理解する「代数」と、
図形的な知識や直観力を身につける「幾何」がある。
 数学Uは、微分積分学の導入であり、
微分・積分の計算の仕組みと計算の仕方である。
これらをマスターすることが、
数学の問題を解くのに必要な“計算力”を
身につけることになる。
 数学Bでは、数学T・Uに比べて、
論理的でかつ直感的な内容を含んでいる。
直感的には、できるだけ視覚的に事柄が把握できるように
図を活用すること。
 数学Vという内容は、数学という大樹の幹に相当する。
数学T・A・U・Bのどれもが、よく伸びた枝葉のように、
結局はこの幹に結びついている。
この幹に登って、今までの数学を眺めてみると、
すでによく知っているはずの事柄が、
これまでとは違った形に見えるはずである。
それは、より一段高いところから見るので、
今まで見えなかったものがよく見えてくるのである。
 数学Vでは、それまでは有限数学であるが、
ここでは、無限数列、無限大、無限小といった無限の世界を扱う。
この無限数学の応用が微分法と積分法である。
数学Vを勉強しながら、
なるほど、微分法が成立する背景には
ケプラーやニュートンなどの天体の運動の観測があり、
積分法には面積を求めるという
必然性があったのだと気づくであろう。
このように、微分積分は
自然科学全体の根幹をも成している。
 数学Cは行列・曲線・統計処理と独立しているが、
その底流となる数学的な知識は共通であり、
互いに関連がある。
どんどん先へ読んでいき、
自分自身で興味ある対象を一つでも発見できれば、
それは自分自身の適性の発見でもある。
数学の勉強とは
自分の個性や適性の発見の過程でもある。
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